40年使った名刺入れ

この記事は約2分で読めます。

1984年・昭和59年

新入社員だった私は研修で名刺の渡し方や電話の取り方を学びました。

車に乗った時の上座、下座。応接室の上座、下座。

色んなマナーを習ったと思うのですが、覚えているのはそれ位です。

これだけ知ってたら十分でしょう。(違うか)

自分の名刺をもらったので名刺入れを買わねば、と思い大阪の阪急百貨店に行きました。

当時の名刺は縦書きでした。会社のマークのクマの絵と部署名、そして名前。いたってシンプルなものでした。

営業では無いので名刺を渡す相手は縫製工場の社長さんもしくは担当者位です。

それでも初めての自分の名刺なのでそれによって社会人になった自覚が芽生えたのか、芽生えなかったのか(不明)

阪急百貨店に名刺入れを買いに行ったのだけは鮮明に覚えています。

じっくり時間をかけて吟味して、ひとつの茶色い革の名刺入れを購入しました。

茶色と言う色も好きでしたし、何より柔らかい手触りが気に入ったのだと思います。

流石に値段は覚えていませんがその当時の私にとってはかなり思い切った価格でした。

手取り10万円もなかったお給料でしたが、ある程度背伸びした値段のものを買うつもりだったので納得して買ったと思います。

帰って自分の名刺を入れてみました。新しい名刺入れに初めての自分の名刺。

手触りが好きで用も無いのに時々撫でたりしていました。

あれから40年

未だに同じ名刺入れを使っています。・・・ビックリ!

あれから40年経っている事にさらにビックリ!

あの時と同じように今でも時々撫でています。

見た目はボロくなりましたが柔らかい手触りはあの時のままです。

この40年のうちに何度か他の名刺入れを買った事があります。

高級な名刺入れを頂いた事もあります。

しばらくはそれを使うのですが、やっぱりこの名刺入れに戻ってくるのです。

それ位気に入っています。

61才の今。新たに名刺入れを買う事はもう無いと思います。

この茶色いボロい名刺入れ。

考えてみればこの40年間を一緒に歩んで来たんですよね。

大切に最後まで使わせてもらおうと思います。

これからもよろしく、です。