芦屋令嬢誘拐事件

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神戸の株式会社ファミリアに勤めていた時起こった大事件

大昔の話なんですが忘れたくても忘れられない事件です。

私が神戸のファミリアと言う会社に勤めていた時のお話です。

1985年位だったと思います。40年近く前ですね。びっくり。

朝、普通に出勤した所、隣の課の課長が怒っている声が聞こえました。

「〇〇は出勤して無いんか?無断欠勤か!」みたいな感じだったと思います。

〇〇さんと言うのはその課で事務をしていた女性です。高級住宅地の芦屋の中でも六麓荘と言う地域はそれはそれは超高級なお屋敷ばかりが並んでいる場所です。

〇〇さんはそこにお家がある人でした。

その日は結局彼女は出勤する事なく1日の業務が終わりました。

そして次の日、出勤したところびっくり仰天です。

会社の入り口に沢山のテレビ局のカメラが待ち構えているんです。

何ごと?と思いましたがそのまま職場に入ると会社に置いてあるテレビに人だかりが出来ています。

何と!〇〇さんが昨日、誘拐されて男に車で連れまわされ今日、無事に保護されたと言うニュースだったんです。

芦屋令嬢誘拐事件!と新聞の1面にも大きく出たのを覚えています。〇〇さんの顔写真も大きく掲載されていました。

でもその1面の写真がクリスマスの三角帽を被った写真だったんです。

みんなで「もう少しマシな写真無かったんかな?」と言い合ったのを覚えています。

わざとアホっぽい(失礼)写真を選んだとしか思えなかったです。

ことさら金持ちを強調する報道に違和感を感じました。

ヘリコプターで六麓荘の〇〇さんのお家を上から撮影してテレビで放映していました。

ある人が「この家のベランダ、俺んちの家全部より広い」とつぶやいていました。

誘拐した理由も何も忘れましたがこの時の社内の騒動だけは忘れられません。

何日かして〇〇さんは普通に出勤して来ました。

社員全員にあてた紅茶セットの贈り物と共に。

立派な箱に〇〇さんの名前の熨斗が掛けられていました。(そんな事まで覚えています)

本社だけで1000人位いたと思うのに何個買ったんだろとか、全部でいくらしたんだろ?とか貧乏人の私はそんな計算ばかりしていました。

今はどうか分かりませんが株式会社ファミリアはお金持ちの家のお嬢様、お坊ちゃまがとても多い会社でした。

確か私は6階勤務だったのですが、総務部がある7階に上がって行くと「Namigonさんが来るとすぐにわかる。空気が変わるもん」と良く言われたものです。

特に総務部の有る階は社長室などもあり、余計にお金持ちな空気が流れていました。

そんな中に私のようなものがヒョコヒョコ現れるんだから空気も変わる事でしょう。

何だかそれが可笑しくて、結構7階の人達とは仲良くさせてもらっていました。

お金持ちのお嬢様から見ると物珍しかったのでしょうね。

ふふふ。