この仕事をしていると美しいレースを見る機会が多いです。
美しいレースは女心をトリコにしますね。
ハンドル刺繍と言います。壁に貼った図面をみながらフリーハンドで仕上げて行きます。
これぞ職人技ですね。
お客様からのオーダーでお作りしたウェディングドレスです。
シルク100%の生地で作っています。
丁寧な仕事をしたい
昔、一時期商社のデザイン室に勤めていた事があります。
量販店向けの子供服の企画をしていました。
その会社の前は株式会社ファミリアと言うところに居たのですが、同じ子供服とは言え、あまりの違いに色々驚いた事があります。
ファミリアは皇室のお洋服も作っていた事からも分かるように品質には特にこだわったモノ作りをしている会社でした。(今はどうか分からないので一応過去形)
ひとつのポケットの位置を決めるだけで何時間もかける事がありました。
いい会社だと思うのですが本社の人間は月1回、店舗応援に行かないと行けないのが超嫌で辞めてしまいました。
私は大阪の阪急百貨店や京都の大丸に行ってました。
デパートと言うのは女の世界です。ああいう世界がどうも・・・(多くは語りません)
デザイナーとして就職したのに何で店舗に立たないといけないのか若い私は分からなかったです。
この会社の成り立ちやコンセプトを理解していたらなぜ店舗応援に行くのか分かりますが、その頃の私にはそう言った事に思いを巡らす事無く、ただ嫌、それだけでした。
その次に就職したのが上述の大手繊維商社のデザイン室です。
ゆっくり考える余裕も無くどんどん新しいものを企画しなくては間に合いません。
縫製工場さんに依頼する際もファミリアの時のように細部を検討する事もありません。
誰のチェックも受けずにひたすら依頼書を書いて行きます。
だから時にはとんでも無いものが仕上がって来たりします。
特に韓国の工場から仕上がって来たものはプリントや刺繍の色にビックリする時がありました。
そんな色で指示したつもりは無いのに、同じピンクでも感覚が違うんです。
袖の通らない服が大量に仕上がって来た事もあります。
1枚ずつ袖を通して、何とか通るものは製品として出荷していました。
申し訳ないですが、何といい加減なモノ作りをしているのだろうと思っていました。
とにかくスピード、スピードです。とにかく忙しかったです。
ファミリアの時とは違った忙しさでした。
でも仕方が無いんですよね。安価な売値のものに時間はかけていられませんものね。
両方経験して思った事
商社でモノ作りをしている時、どんどん自分も消費されて言っている気分でした。
ファミリアでモノ作りをしている時、同じく自分が消費されている気分でした。
でも後者は、いいもの作りに自分が付いていけていなかったのです。
せっかくいいものを作っているのにやらされている感が強くて、心を込めるところまで到達していなかったです。
今なら心も魂も込めてモノ作りが出来ます。
魂を込める以上、仕事は丁寧になります。丁寧でかつスピーディにする必要があります。
これは経験を詰まないと難しい事かも知れません。
丁寧に丁寧に、といつも思っています。
雑なモノ作りはしたく無いです。
お客様対応も同じ
モノ作りだけでは無くそれに付随するお客様対応も同じです。
「まあ、いいか」と思って軽く流すとそういう事に限ってあとから何らかのトラブルにつながります。
丁寧すぎる位で丁度いいと思っています。
その方が仕事していて楽しいですよね。