白猫3匹
うちの先代猫『雪姫(ゆきひめ)』のお話です。
その後、また白猫(しかも2匹)を我が家に招き入れた話はまた今度させて頂きます。
雪姫は本当に可愛い可愛いおしゃべりな猫でした。
雪姫との出会い
結婚してしばらくは賃貸マンション住まいでした。
ある夜、夫と外出先から帰って来たところ、マンションのエントランスに真っ白い子猫が居ました。
本当に小さくて手のひらに乗る位のニャンコ。
マンションの誰かが牛乳とパンを器に入れて置いていました。
「めちゃ可愛い!」と思ったのですがなんせペット禁止のマンション。
その日はそのまま帰宅しました。
次の日の朝、夫と話しました。
私「昨日のあの猫、可愛かったね~」
夫「もし、今日も居たらうちで飼おうか?」
え~~っ!と思いましたが動物が大大大好きな私。
思わず「そうしようか」と返事していました。
うちの子になる?
その話の直後、ベランダに出た夫が何気なく下を見たところ、昨日の白い子猫がうちを見上げているではありませんか!うちは3階です。
白い子猫と夫の目が合ったとたん、何とそのニャンコはジャンプしてうちのベランダに来ようとしたんです。
無理でしょ。うち3階だよ。
それで結局その白い子猫は1階のベランダに入ってしまいました。
1階の住人が気付いてニャンコを追い出したようです。
それを3階のベランダから見ていました。
そこで夫が「よし!迎えに行ってくる!」と言って出て行きました。
今でも覚えています。
マンションの廊下を手のひらに子猫を乗せた夫が戻ってくる姿を。
本当に小さくて小さくてホワホワしていました。
動物禁止ですが、まあ黙っていれば大丈夫だろうと言う気持ちでした。
雪のように白いし、女の子だから『雪姫』
こうやって雪姫は我が家の子供になりました。
まだ子供の居ない私達夫婦にとっては愛おしい存在になりました。
(結婚して7年間子供は居ませんでした)
雪姫との日々
とても綺麗な顔でとてもおてんばでとてもおしゃべりな猫でした。
そしてお客さんが大好き。インターフォンが鳴ったら玄関に走って行きます。
シーチキンが好きでした。「ゴハーン!」って言うのですよ、ホントに。
雷が大嫌いで雷が鳴ると腰が抜けるのか前足だけでズリズリと歩く姿が面白かったです。
まだ電話にカメラが付いていない時代でしたのであまり写真が残っていません。
猫の成長は早い!
半年位で体が2倍位になって子猫とは言えない体付きになりました。
でもその分、とても美しい顔立ちになりました。大人の女って感じ(笑)
そのうち私が長男を妊娠、出産、初めて家に長男を連れて帰った時の雪姫の顔を思い出します。
すっごく嫉妬深い顔。
夫がそれを見て雪姫に「なんや、その顔は!!」ってすごく怒りました。
今まで自分中心だったのにどうも知らない生き物がいきなり家に来てみんなの意識がそっちに行ってる!これは大変!と思ったんでしょうね。
夫が怒るのも分かりますが雪姫からしたら一大事ですよね。
でも雪姫が赤ちゃんにちょっかいを出す事は一度も無く、みんな仲良く穏やかに暮らしていました。
ネコ飼ってるのバレちゃった!
その後、長男の保育園の都合で別の市に引っ越す事になりました。
マンションを引き払う時、最後に家主さんが来られました。
家主さん「猫、飼ってましたね?」
えーなんで分かったん?
そりゃ分かります。柱が爪とぎでボロボロになってたもん(爆)
と言う事で何万円か支払いました。
ごめんなさい。でも雪姫自身がうちの子になるって来たんだもの。拒否は出来なかったよー
娘も産まれて大家族♪
そのうち、娘が誕生しました。
その頃は夫の両親とも同居していたので人間6人、猫1匹のにぎやかな生活が始まりました。
だいぶ年を取ってからの雪姫の写真です。18才以降だと思います。
若く見えますよね(^^)
もっと若い時、小さい時の写真は紙焼きの分しかありません。
その写真は雪姫のお骨とともに今、飾っています。
黄色い縁取りの毛布と一緒に写っている写真はだいぶ具合が悪くなってからの写真です。見てて辛くなって来ます(涙)
尽きない雪姫との思い出
その頃は一軒家に引っ越していました。賃貸では無いので雪姫も自由に外と家の中を出入りしていました。
今のニャンコは完全室内飼いですがその頃はまだ外と家を出入りしていた猫ちゃんも多かったと思います。
ヨソのおうちの塀にぴょんと飛び乗って悠然と歩いていました。
低空飛行しているスズメを見事なジャンプで仕留めている現場に遭遇した事もあります。
もちろんお土産にお持ち帰りです。機敏だったのでお土産も多かったです。
どこかの猫に追いかけられて少しケガをして帰って来た事が何度かあります。外ですっごいダッシュで走っている猫がいるなーと思ったら追いかけられている雪姫だった事があります。
猫の飼い方も豪快でした。
亡くなる1週間前まで元気だった
正確に言うと『元気に見えた』ですね。毛の艶も良く亡くなる時までふわふわしていました。
でも後から考えると前兆はありました。
前足の付け根を持って立たせる体勢になると咳をするようになっていました。
前はそんな事なかったのに。
年だからかな?と全然気に留めず、そう言った持ち方はしないでおこうと家族の中で決めました。
そういった持ち方をしないでいると咳をする事もなかったので安心していました。
本当に健康優良児で19才になるまで病気で病院のお世話になった事も無く、かえってその事が雪姫の異変に気付かなかった一因だと思います。
最初で最後のおめかし。記念撮影
亡くなる前の年、冗談でそろそろ葬式用の写真がいるかなと娘と言いながら記念写真を撮りました。
18才の時です。
「ユキちゃん、可愛いっ!」と持ち上げながらの撮影会。
まんざらでも無い様子でした()
これがその時の写真です。あー可愛い(親ばか)
最後の1週間
雪姫の具合が急に悪くなり病院でレントゲンを撮りました。
結果、末期の肺がんが疑われるとの事。
19才と言う高齢でもあり、手の施しようがないと言われました。
呼吸も苦しそうで、あれだけおしゃべりだったのに「にゃん!」とも言いません。
家で静かにその時が来るのを待っているしかない状態でした。
食事も取らなくなりました。何とか何か食べてもらいたいと思ってスーパーで雪姫の好きそうなフードを探していると込み上げて来るものがありました。
充分生きたと思うので後は出来るだけ苦しまずにと願うばかりでした。
まだこんなにふわふわして美しいのに、と思っていました。
亡くなる数日前の奇跡
私たち家族(人間チーム)は2階建ての2階で寝ていました。雪姫はお気に入りの1階のこたつ。
明け方だったと思います。2階の廊下で何か音がするので出てみると何とそこには雪姫の姿が!
ヨロヨロと歩くのが精一杯なはずなのに力を振り絞って皆が居る2階に上って来たのです。
家族全員気付いて雪姫の回りに集まりました。
息子が「ユキ、最後の挨拶に来たんやな」と一言。
つらい夜でした。
2013年1月26日
その朝、6時ぐらいだったと思います。みんなそれぞれ予定があり出かける前でした。
娘が今日あたり、と思っていたらしく朝まで寝ずに雪姫と一緒に過ごしていました。
その日の朝は家族全員が揃っていました。雪姫は家族が揃っている時を選んだのだと思います。
雪姫の周りを皆が取り囲んでいた時、横になっていた雪姫がスクッと起き上がりヨロヨロ歩いて水を飲みに行き、その後トイレに行きました。
そして同じところに戻って来て横になりそのまま旅立ちました。
最後まで律儀な猫でした。本当にいい最期でした。
ペットロス
雪姫が亡くなってしばらくの間はスーパーの袋を見ても雪姫に見えていました。
家に帰ったら雪姫が出迎えてくれるんじゃないか、なんてありもしない事を思ったりしていました。
寿命が人間と違うのだから先に逝くのは当然なんですけどね。
この後、新しい猫ちゃんを迎える事になるのですがこの時も雪姫のしわざとしか思えない不思議な事がありました。
このお話はまた後日。