久し振りに『荒城の月』を聴いた
ひょんなきっかけでYouTubeでオペラ歌手の砂原美智子さんと言う方が歌う『荒城の月』を聴きました。
あまりに美しい歌声に聞き入ってしまいました。
『荒城の月』と言っても若い方はご存じ無いかも知れませんね。
私達の年代の人は小学校かどこかで習ったと思います。昔から知っている歌です。
知ってはいましたが歌詞の意味など何も知りませんでしたし、興味も無かったです。
でも、何十年ぶりかに耳にしたこの歌の歌詞。本当に日本語って美しいな~としみじみ思いました。
美しい日本語だと思いましたが意味が分かる箇所と分からない箇所がありました。
それでこの度調べてみました。
荒城の月 歌詞
春高楼(こうろう)の 花の宴(えん)
巡る盃(さかづき) 影さして
千代の松が枝(え) 分け出でし
昔の光 今いずこ
秋陣営の霜の色
鳴きゆく雁(かり)の数見せて
植うる剣(つるぎ)に照り沿いし
昔の光 今いずこ
今荒城の 夜半(よわ)の月
変わらぬ光 誰(た)がためぞ
垣に残るは ただ葛(かずら)
松に歌う(うとう)は ただ嵐
天上影は 変わらねど
栄枯(えいこ)は移る 世の姿
映さんとてか 今も尚
ああ荒城の夜半の月
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意味は今一つ分からなくてもこの日本語の美しい響きに惹かれます。
何とも言えない美しい歌詞です。
意味を調べてみました。
歌詞の意味・現代語訳(意訳)
1.
春には城内で花見の宴が開かれ
回し飲む盃(さかづき)には月影が映る
千年の松の枝から こぼれ落ちた
昔の栄華は今どこに
2.
秋の古戦場 陣跡の霜に静寂が満ちる
空を行く雁の群れの鳴き声
敗れた兵の地面に刺さった刀に映る
彼らの命の輝きは今どこに
3.
今や荒れ果てた城跡を
夜半の月が照らす
昔と変わらぬその光
主も無く 誰のために
石垣に残るは葛のツタのみ
松の枝を鳴らす風の音のみ
4.
天上の月が照らす影は今も変わらず
されど世の中の栄枯盛衰を
今もなお映そうとしているのか
ああ 荒城を照らす夜半の月よ
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武士の世の栄枯盛衰を謳った歌だったんですね。
この歌詞の意味を見た時、豊臣秀吉の辞世の句を思い出しました。
「露と落ち 露と消えにし我が身かな 浪速のことは 夢のまた夢」
私の好きな言葉です。永遠に続くものは無い。と言うヨガの教えとつながるものがあります。
荒城の月も秀吉の句も過ぎ去りし過去の栄華にしがみつく事無く、淡々とその様子を眺めて歌にしていますよね。
そう言う心情がやっと少し分かる気がして来ました。