間に合わないと思ったら間に合わない。大丈夫と思ったら大丈夫
たま~にですが自分の力で無いものに助けられたと思う事があります。
ホントの話です。普通に考えたら無理!な事が無理じゃ無くなる事があるんです。
ホントだよ(^^)
ある日、恐怖の電話が鳴った
私の会社はウェディングドレスのオーダーをしています。
あるお客様のお話です。
ドレスを作らせて頂いたそのお客様の結婚式の当日。日曜日です。会社は休みで私はハイキング中でした。
私の携帯電話が鳴りました。ヘアメイクのMさんからです。
当社がいつもお願いしていたMさんをそのお客様に紹介させて頂いていました。式場から電話はかけて来ています。
Mさん曰く、「ウェディングドレスの後ろが黒く汚れている。とても目立つ。しかも汚れているところの真ん中が穴が開きかかっている。」
ええええええっーーーー!!!そんなバカな。発送時、ちゃんと検品しているし。
さらにMさん「新郎様と花嫁様のご親族の皆さんが激怒している」
その時の私の判断は、とにかく現場に行く!と言う事でした。間に合っても間に合わなくても行く。
とにかくこんな時は行くしかないのです。
担当のデザイナーに電話で連絡した所、帰って来た答えは「今から行っても絶対間に合いません!!」
京都の式場でした。もうすでに挙式は終わっていて挙式の時はヘアメイクさんが白いテープか何かを貼ってごまかしてくれたようです。
電話があったのは挙式と披露宴の間です。
間に合わないと言ったスタッフは電車の時間を調べて絶対間に合わないと判断したようです。
私はスタッフに「そんな事どうでもいいからとにかく行くよ!」と言い急いで支度をして向かいました。ハイキングの服装でしたのでいくらなんでもそれでは行けません。
スタッフと待ち合わせて京阪電車に乗っている間中スタッフは「無理です。」ばかり言うのです。
私は何となく絶対間に合う気がしたのです。これこそ自分の力では無い何かが助けてくれると確信しました。
なのでスタッフに「絶対間に合う気がするよ」と言いました。
スタッフはそんなバカな。と言う顔をしていましたが。
駅を降りてとにかく式場まで走りました。
神様の時間調整
到着したのは新郎新婦登場の15分前。
席に座っているはずの親族の皆さんが心配して花嫁の回りにいました。
汚れている部分を急いで落としました。スタッフはただただ焦っているからめちゃこすり始めたのです。
あかん、穴開く!!
と止めて、ひたすら濡れタオルに洗剤をつけてトントントントン・・・・
こういった時の応急処置はベテランですので慣れています。
本当にギリギリの所で間に合って新郎新婦様には登場して頂きました。
そうです。計算上で間に合わなくても、間に合うと確信出来れば間に合うのです。
これこそ神様が時間調整をしてくださったと思っています。
誰も怒っていなかった
激怒していると聞いていた新郎様とご親族。
何も怒っていらっしゃいませんでした。
まさか来てくれるとは思っていなかった。と言われました。
そうなんです。誠実に仕事をしていれば分かってくれる人はちゃんとわかってくれるのです。
びっくりな後日談
これにはびっくりな後日談があります。
実はドレスの後ろを汚したのは花嫁様自身だったのです。
全てが終わったあと、何かおかしいと思ってドレスを入れていたドレスバッグを調べてみました。
ちょうどドレスの汚れの位置にこすったような跡があり、穴が開いていました。
それで全ての合点がいきました。
誰かがドレスバッグを引きずってアスファルトか何かでこすったのだと思いました。
でもその日はその事は何も言わずに「申し訳ございませんでした」と伝えて会場を後にしました。
私の仮説が当たっていた事は後日花嫁様からのメールで明らかになりました。
ご自身がドレスを持って会場に向かっている時に地面にこすって穴をあけてしまったそうです。
ちゃんと皆に言おうと思っていたのに新郎様や親族のあまりの権幕に言い出せなくなってしまって事が大きくなってしまったようです。
その後、花嫁様が本当の事をご主人に話してくれたのかどうかは分かりませんが、まあそれはそれでいいとしましょう(^^)