結婚式速報新聞とドレスオーダーの2足のワラジで半年位経った頃、ついに資金的に行き詰まりました。
何せ急に勤めていた会社を放り出されたのですから、開業資金を貯め込んでいた訳でもなく生活費を食い潰して営業を続けている状態でした。
特にウェディングドレスは生地などの仕入れ費用がかさみます。
とても安い料金でオーダーを受けていましたので、収支トントンか赤字の時も多かったように思います。
なんとか資金を調達しないといけないと思ったのですが、何をどうすればいいのか、どこに行けばお金を貸してもらえるのか全く分かりませんでした。
そんな時にふと目に止まったのが地元の市役所が出している広報紙『広報ひらかた』。
その裏に小さくこんな事が書かれていました。
『大阪府起業家セミナー受講生募集中。修了者には大阪府スタートアップ資金に応募する資格が与えられます。』
その下にさらに小さく注意書きがありました。
『修了イコール融資を保証するものではありません』
注意書きは全く目に留まらず、このセミナーを受ければ融資が受けれる!と超自分勝手に解釈した私は早速、書かれていた電話番号に電話をかけました。
気楽に受けようと思って電話をかけたのですが聞くと、受けるための書類選考があるとの事でした。
毎回、大変な競争率らしいです。
自分のビジネスプランを規程の書類に書いて、それで書き足りなかったのでたくさん追加書類をつけて、自分のビジネスに対する思いのすべてを書面に書きました。
送ってすぐに大阪府の方から電話が掛かってきました。
「すばらしいビジネスプランです。ぜひ起業家セミナーを受けて下さい。」
後で良く考えるとビジネスプランの内容より書類の枚数の多さに
担当者の方が圧倒されて通ったような気がします^^;
「こいつを落としたら根に持たれそう」と思われたのではと本気で思っています^^
セミナーは2001年8月の最初の土曜日にスタートしました。
毎週土曜日、合計5回位のセミナーでした。朝から晩までみっちり商売を始めるためのノウハウを学びます。
30名の同期の方がいらっしゃいました。
100名以上の応募があったと聞きました。
セミナーの講師の方に「落ちた人の事を思って頑張れ」と言われた事を憶えています。
必死でした。講師の方のひと言ひと言を絶対聞き漏らすまい、と言う気持ちでした。
財務の話など自分は今までまったく縁が無く、知らない事ばかりでした。
勉強になったと同時に起業を志すたくさんの仲間にめぐり会えた事が自分にとってはすごく大きいものでした。
(第22話に続きます)
プロローグ
第1話 基礎を学ぶ
第2話 恋愛話
第3話 調子に乗る
第4話 それってプロポーズ?
第5話 彼、父に会う
第6話 自分のドレスを作る
第7話 結婚式
第8話 最高のハネムーン
第9話 男社会
第10話 働く、働く
第11話 悲しい出来事
第12話 葛藤
第13話 これではない
第14話 劇的な変化
第15話 前しか見ない
第16話 子供達
第17話 インターネットショップにチャレンジ!
第18話 はじめての広告
第19話 はじめてのお客様
第20話 副業
第21話 お金が無い!
第22話 チャレンジ!
第23話 はじめて作ったホームページ
第24話 舞い上がったプレゼンテーション
第25話 甘くはない
第26話 師匠との出逢い
第27話 やっと本格始動
第28話 助成金の使い道
第29話 怒涛の2001年